横浜の変遷をみつめてきた創業九十二年の老舗ベーカリー
カステラに水ようかんが挟まれた三角形のお菓子「シベリア」。かつては日本全国のパン屋で作られていたそうですが、現在作り続けているお店は数えるほどに。桜木町の駅からほど近い「コティベーカリー」は、その数少ないお店の一つです。
大正五(一九一六)年、横浜市電を退職した初代がこの地にパン屋をオープン。当時は修行先のパン屋の屋号を名乗る慣習だったため、「日本堂」の屋号が掲げられていたとか。以来、関東大震災や横浜大空襲を乗り越え、コティベーカリーはパンとお菓子を作り続けてきました。
「私の父である二代目が復員したのが昭和二十二(一九四七)年。その頃は小麦統制のためパンを作れず、喫茶店として営業をしていたんですが、その時『コティ』という店名がつけられました」と、三代目店主の馬中俊夫さん。その後、再びパンが作られるようになってからも店名はそのまま使われるように。「店名はの由来は、多分、当時有名だった『フランソワ・コティ』という香水商。モダンで、新しい時代にピッタリだと感じられたんでしょうね」。
幅広い世代に愛される商品をこれからも作り続けたい
シベリア、甘食、ぶどう食パン、メロンパン、コロネット――小さな店内には、およそ60種類のパンやお菓子が並びます。シベリアや甘食のように、創業当時から作られているものもあれば、二代目・三代目が作ったものも。「作り方は昔から変わりません。それでも、シベリアは二代目が水ようかんの幅を増やして現在の形になったし、ぶどう食パンは、ぶどうが好きな私が、ぶどうをたくさん入れた結果できた商品。基本的にうちのモットーは、『食べたいものを作る』なんですね」と馬中さん。
「ずっとここで営業していると、以前この辺りに住んでいた方が懐かしがって訪ねてこられたり、おじいさんやおばあさんのおつかいで、若い方がいらっしゃったりすることもあるんですよ。また以前、病気で食欲を失ったおばあさんが、うちの甘食だけは食べられるからと、毎日大事に食べて下さったと聞いた時は、もう感動して……。パンを作ってきてよかったと思いましたね。これからも元気で、この場所で仕事を続けていきたい。そして古いパンやお菓子のよさを伝えていけたらと思います」。
※商品は手作りのため、まずご予約をおすすめします。商品情報や通信販売についてはHPをご参照ください。
http://www.geocities.jp/coty_bakery/
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コティベーカリー tel.045-231-2944 営業時間 平日 8:00〜21:00/ 祝日 8:30〜20:00 定休日・日曜日 神奈川県横浜市中区花咲町2-63 市営地下鉄(ブルーライン)・JR桜木町駅より徒歩3分 |
卵黄をふんだんに使って作られるメロンパン(130円)と、残った卵白で作られるメロンコアラとメロンパンダ(各130円)。数量限定のため、購入の際はご予約を。
持つとずっしりと重い!ぶどう食パン(260円)とコロネット(170円)。
店内に並ぶバラエティ豊かな商品。あれもこれも欲しくなりそう!
[2008/03/17掲載]



